オーディオ字引

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デシベルの話

オーディオ関連の話の中では避けて通れないdB(デシベル)。 まぁ、これがちょっとわかりづらいんですよね。

というのも、例えば80dBと40dBの大きさの音があったとして、一体どれくらいの差があると思いますか? 「80と40なんだから、たったの2倍でしょ?」なんて答えた人、一般的な算数ではそれで問題ないのですが、ことdBとなると話は変わってきて、なんと単位がdBだった場合、ここでの差は100倍ほどの違いがあります!!!

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一体なんでこんな面倒くさいことになってるの?なんて思ってしまいますが、それは音の大きさの差があまりにも大きすぎるということにあります。

というのも、人間が聞こえるかすかな音を基準としたとき、木々が緩やかな風によって擦れる音って、何倍の音になっていると思いますか?

「かすかな音と木々の擦れる音ってそんなに変わらないだろっ」「いいとこ2倍程度じゃない」なんて思ったりしませんか? 実はこのときの音の差は、10倍にもなるんです。

それでは、ヒソヒソ話での会話と比較すると、どれくらいの差となるか? これは大体32倍程度の差となります。

かすかに聞こえる音とヒソヒソ話の音量が、この時点で32倍となるのですから、じゃあ一体、飛行機の轟音はどれくらいのものになるのでしょうね? 先程の流れからするととんでもない数値が出てくるのは容易に察することができます。

その差たるや1,000,000倍です・・・。

こんな数値、一般的な話の中では不便ですよね。 そこで、このような関係性を便利にするために対数というものが使われています。 (まぁ、それが便利かどうかは疑問の残るところですが・・。)

まず、この対数、数値が小さいときには変化が緩やかとなり、数値が大きくなると変化も大きくなるときに使われるもので、まさに先程の音の差にはもってこいの数値ですよね。

まぁ、学術的に難しい説明は省いておきますが、先程の音の差をデシベルにしてみると、以下のような表になります。

このような数字のほうが、先程の1,000,000倍よりもわかりやすくありませんか? 例えば、アンプやスピーカーの表記に「1,000,000倍」というような表記だとそれこそ解りにくくなりますからね。

では一つ問題ですけど、80デシベルの音を出す目覚まし時計の音を2倍にした場合、何デシベルになると思いますか?

80dB+80dB?

そうすると160dBとなるわけですが、ちょっと前の話では飛行機の轟音は120dBでした。 ということは、めざまし時計の音は、爆音を超えて、耳を破壊するくらいの音になってしまいますよね。

実はdBの場合、単純に足し算をしてはダメで、音を2倍にするためには80dBに6dBを足すことになるんです。 つまり80dBの目覚ましを2倍の音量にするためには、86dBにすればいいんです。

この元の音の大きさはどんな数字でもいいのですが、その音を2倍にするには単純に6dBを足すだけということになります。 ちなみに同じように音を3倍にしたければ、10dBを足せばいいですし、10倍にしたければ20dBを足せば良いのです。

まぁ、ちょっと厄介と言えば厄介ですけど1度覚えてしまえば簡単ですし、2倍は6dB、3倍は10dBだけ覚えておけば、いろいろな応用が可能なので、計算は便利になると思います。